万博の会場上空や、記念式典の祝賀飛行。テレビのニュースでブルーインパルスが飛ぶ姿を見て、「あの並び方、何か意味があるのかな?」と思ったことはありませんか。
航空祭(航空基地のお祭り)でブルーインパルスを見ると、宙返りや垂直上昇といった派手な演技(「課目(かもく)」と呼びます)に目が行きます。
でも、万博や国民的なイベントでの祝賀飛行・記念フライトのような「航空祭以外」の場面では、そうした激しい演技はほとんど行われません。かわりに主役になるのが、編隊(へんたい:複数の機体がまとまって飛ぶこと)を組んで飛ぶ姿、いわゆる「航過飛行(こうかひこう)」です。
パパこの記事では、代表的な12種類の隊形を、自作したマグネットの写真で並べながら、ひとつずつ解説していきます。名前と形を知っておくと、次にブルーインパルスを見上げたときに「あ、あれはデルタ隊形だ!」と分かって、楽しさが何倍にもふくらみますよ。
ブルーインパルスが航空祭以外で披露する隊形
では早速、航空祭以外の場所で実施される編隊の隊形を見ていくことにしましょう


























ブルーインパルスの展示飛行は3種類
ブルーインパルスが観客の前で飛行を行うことを一般的には展示飛行といいます。
展示飛行は【アクロバット飛行】【編隊連携機動飛行】【航過飛行】の3種類に分類されます。
激しい機動を伴うアクロバット飛行が行われるのは基本的に滑走路のある航空基地でのお祭り(航空祭)に限られます。(※稀に輪島分屯基地での飛行例など滑走路のない基地のイベントで例外的に実施される場合あり)
また、ブルーインパルスが展示飛行を行う際は上空の天候状態が1区分から4区分に分類されています。
地上、もしくは天候偵察を行った他機のレポートをもとに、最終的に1番機の判断でそれぞれの区分に応じた展示飛行やアクロバット飛行の内容が決定されます。
| 区分 | 雲の最低高度(クラウドベースやシーリングと呼ばれます) | 飛行エリアの視程 |
|---|---|---|
| 第1区分 | 10,000フィート(3048m)以上 | 8km以上 |
| 第2区分 | 7,000フィート(2,134m) | 8km以上 |
| 第3区分 | 5,000フィート(1,524m) | 5km以上 |
| 第4区分 | 3,000フィート(914m) | 5km以上 |
雲の量が極めて少ない場合や、皆無に近い好天の場合は垂直系の演技が行われる1区分~2区分となります。
特に1区分の課目である『デルタループ』や『バーティカルキューバン8』は天候条件が厳しく、これらが見られるような天候に恵まれたらラッキーだと思って良いでしょう。
そこそこ雲があるものの、水平系の飛行演技ができる場合は3~4区分となります。
航空祭においては視程が8km以下になると第5区分以下。さらに雲の高度が1,200フィート(370m)以下になると展示飛行が中止となる可能性が高いです。
アクロバット飛行
航空法において『曲技飛行』と定義されています。



宙返り(ループ)、横転(ロール)といった飛行や姿勢の急激な変化、異常な姿勢、速度の異常な変化を伴う飛行を行います。
一般的に天候の良い航空祭で行われる飛行はアクロバット飛行ということになります。
前項でも述べましたがアクロバット飛行(曲技飛行)が行われるのは、基本的に滑走路のある航空基地でのお祭り(航空祭)に限られます。
航空祭で行われるアクロバット飛行について詳しく知りたいという方はこちらの記事をご覧ください


編隊連携機動飛行
垂直系の演技がなくなりますが、迫力のある水平方向への機動飛行等を行います。
ブルーインパルスの背中が一瞬であっても地上を向く課目は行われません。
- ファンブレイク
- チェンジオーバーターン
- デルタ360°ターン
- オリジナル レベル キューピッド
- ナイフエッジ
航過飛行(ローパス)
編隊を組んだまま、決められた地点をスモーク(白い煙)を出しながら通過していく飛び方が中心になります。これが「航過飛行」です。
水平方向への編隊飛行がメインとなります。急旋回などは行いません



航過飛行で街なかを飛ぶときは、宙返りとかしないで、きれいに並んで通り過ぎていくのね。



そのとおり。そして「どんな並びで通過するか」が隊形の見どころ。航過飛行では、この隊形の美しさがすべてと言ってもいいくらいです。
- デルタ
- リーダーズベネフィット
- スワン
- ポイントスター
- エシュロン
- トレイル
航過飛行の場合、上記の演目名+ローパスで呼ばれることがあります 例『デルタ ローバス』
隊形を知って、航過飛行をもっと楽しもう|まとめ
最後に、この記事のポイントをまとめます。
- 航空祭では派手な「課目」、それ以外のイベントでは編隊を組む「編隊連携機動飛行」「航過飛行」が中心
- 航空祭以外で実施される展示飛行の見どころは、編隊の並び方=「隊形」の美しさ
- 隊形にはそれぞれ名前がある
- まずは編隊飛行の基本隊形「デルタ」隊形を覚えよう
隊形の名前と形が分かると、テレビのニュースで祝賀飛行を見たときも、実際に会場で見上げたときも、「あの隊形だ!」という発見の楽しみが生まれます。



お子さんと一緒に空を見上げて、「今のはデルタかな、スワンかな」と当てっこするのも、航過飛行ならではの楽しみ方です。次にブルーインパルスが飛ぶ機会には、ぜひ隊形にも注目してみてください。



子どもと一緒に、空を見上げながら隊形当てクイズをしたら盛り上がること違いなしね!

