フランス航空宇宙軍は2023年6月25日から8月3日までの期間、インド太平洋への大規模展開「ペガーズ2023」(PÉGASE 2023)を実施しているようです。
その一環として2023年7月26日(水)から7月29日(土)の間に来日して航空自衛隊とフランス航空宇宙軍による『日仏共同訓練』を実施することを発表しました。
航空自衛隊によると来日するラインナップは
- RAFALE戦闘機 2機
- A330MRTT空中給油機 1機
- A400M輸送機 1機
の合計4機となります。
今回はその詳細の模様をまとめてみたいと思います
共同訓練の実施場所について
航空自衛隊の発表によりますと宮崎県新田原基地およびその周辺、また関東周辺空域にて訓練を実施するとあります。
本記事を書いている時点で関東の基地で離発着する情報はつかめていませんが、7月28日には入間基地または所沢航空記念公園の上空で、日仏の戦闘機や輸送機による展示飛行が予定されているようです。
ラファール戦闘機の来日は初めてであり、それが関東の空域で見られるチャンスということで航空ファンにはビックニュースです。にわかに注目が集まっています
フランス大使館のページに詳細の説明あり
フランス大使館のページで今回の演習
『ペガーズ23』の概要について紹介されています リンクはこちら
紹介記事をまとめてみますと
- 各国との合同演習に参加後フランスへ戻る復路の途中7月24日~8月3日にかけて、
韓国・日本・インドネシア・カタール・ジブチに寄航 - 寄航の際は受け入れ国の空軍との合同ミッションを実施する
とあります。
もともとフランスからアジア太平洋地域には
・Rafale(ラファール)戦闘機が10機
・A400M(Atlas) 輸送機が4機
・A330 MRTT(Phenix)空中給油&輸送機が5機
が展開している模様で。そのうちの一部である4機が日本に飛来するようです。
7月26日と7月27日に戦闘機と輸送支援機がそれぞれ新田原基地に飛来
報道発表にあったとおり
7月26日の夕方、韓国釜山(金海飛行場)を飛び立った
・A400M(0073/F-RBAN) 1機
・ラファールB戦闘機(344/4-FKと357/4-FX) 2機
が新田原基地に飛来しました。
A400MについてはCTM2066のコールサインの使用が確認できました。
なお新田原基地に飛来する前には周辺空域で編隊飛行を実施。空撮ミッションも行っていたようです。
また、フランス空軍機の飛来に合わせてスペシャルマーキング(特別塗装)が施された航空自衛隊のF-15が2機登場しました。
給油輸送支援にあたるA330 MRTT(reg.F-UJCK)についてはラファール戦闘機に1日遅れることの27日17時40分頃、FAF4156のコールサインでに新田原基地に着陸しています。
7/28 埼玉県内の飛行におけるNOTAM情報
AIS JAPAN内のNOTAM検索を用いると展示飛行のNOTAMを確認することができました。
日本のNOTAMで「RAFALE」の文字が見られる日が来るとは・・。感慨深いです。
所沢航空記念公園上空における飛行時間は
になっていました
210047 RJAAYNYX
(0351/23 NOTAMN
Q)RJJJ/QWALW/IV/M/AW/000/999/3551N13925E005
A)RJTJ B)2307280145 C)2307280230
E)AIR DISPLAY:
1 AREA:WI 5NM RADIUS OF 355031N1392438E
(SAYAMA-SHI AND TOKOROZAWA-SHI IN SAITAMA)
(ONLY IRUMA CTL ZONE)
2 ACFT:1C2 1A400M 2F15 2RAFALE 2F2
3 RMK :VMC ONLY
WX MNM VIS 5000M CEIL 3000FT
TOKOROZAWA KOKU KOUEN FLY BY 1 MIN SEPARATION EACH UNIT LISTED
ABV AT ALT 1500FT MSL)
NOTAMを読み解いてみますと展示飛行に参加するラインナップとして
- C-2輸送機 1機
- F-15戦闘機 2機
- F-2戦闘機 2機
- エアバス A400M輸送機 1機
- ダッソー ラファール戦闘機 2機
となっています
またNOTAMの表示によると
TOKOROZAWA KOKU KOUEN FLY BY 1 MIN SEPARATION EACH UNIT LISTED
ABV AT ALT 1500FT MSL)
とのことで機種ごとに1分の間隔をとりながら1500FT(450m)の高さで公園の上を通過しました
東京タワーよりは高く、スカイツリーよりは低い高度です。
飛行エリアを地図に書いてみると・・。
飛行の中心点となる座標
355031N1392438E
は入間基地の中心となっており、そこから半径5NMの範囲で飛行
ONLY IRUMA CTL ZONE
とあるので、つまりは入間基地のコントロールゾーン内の飛行となるようです
座標と円をマップにプロットしてみました
所沢航空記念公園のあたりを拡大すると・・。
さらに拡大すると
こんなかんじになります。
拡大して気づきましたが所沢航空記念公園には隣接して東京航空交通管制部(東京コントロール)があるのですね・・。
今回の飛来となにか関係があるのでしょうか。
エアバンドの周波数について
入間のコントロールゾーンを飛行する予定のようですので、入間基地の周波数をチェックしてみるのがオーソドックスな流れかと思います。
ただ入間のコントロールゾーンに入るまでは横田アプローチにコンタクトする可能性が高いでしょう。また機体間の交信のために非公開の周波数も使用されるかもしれません。
入間基地の関連周波数は以下のとおりです
入間GND | 275.8 |
入間TWR | 122.05 236.8 322.2 |
入間GCA | 125.3 134.1 255.4 258.2 270.8 289.4 306.2 327.4 335.6 |
横田DEP | 122.1 363.8 |
横田APP | 118.3 120.7 123.8 261.4 270.6 317.85 270.4 |
7月29日に次の目的地へ
新田原基地にて航空自衛隊の戦闘機との共同訓練や入間基地付近での編隊飛行を実施したフランス空軍御一行は7月29日朝に次の目的地であるインドネシアのジャカルタに向かいました。
ラファール戦闘機についての解説本
ラファール戦闘機についてもっと詳しく知りたい方
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世界でも指折りのハイレベルな空撮技で知る人ぞ知る徳永 克彦カメラマンと徹底的なリサーチと詳細な解説で定評のある航空ジャーナリストの青木 謙知氏による共著です