航空自衛隊のアクロバットチーム「ブルーインパルス」が4月につづき、7月にも大阪・関西 万博で展示飛行を行いました

4月13日の展示飛行(本番)がキャンセルになってしまったので、再びの展示飛行を目的として関西の空にやってきます。天候不良で中止となったイベントへ再度スケジュールを調整して飛来するのは極めて珍しいケース(ラッキー!)と言えるでしょう。
今回は2025年7がつに再び大阪・関西万博に飛来したブルーインパルスのフライトの詳細をまとめてみます。
可能な限り公表された情報などをもとにした記事の作成を心がけておりますが、一部インターネット上で確認した情報や推測を含めた記事構成となっておりますのでご了承ください。
大阪関西万博における展示飛行を記念して作成されたワッペンも好評発売中です!
7月再び関西に!
異例のブルーインパルス 再派遣


ブルーインパルスの大阪・関西万博における本番飛行が中止になったことをうけて、大阪府の吉村洋文知事が4月16日の定例会見で、万博期間中に飛行を実現するよう中谷元・防衛相に求めたことが明らかになりました。
https://twitter.com/ModJapan_jp/status/1911251248147468369
ブルーインパルスのイベントにおける飛行は、通常事前飛行と呼ばれる練習飛行と本番飛行の2回実施されるのが通例です
その場合、予行飛行と本番飛行どちらかもしくは両方が天候不良によりフライトできない場合は、フライトが未実施のまま終了することが多く、再度フライトのための調整が行われるという異例の事態となりました。



練習飛行の反響と、本番飛行中止の落胆&再度の飛行を要望する声が多く寄せられた結果なのかもしませんね。


ブルーインパルス 再びの飛行は7月に
7月1日に防衛省より、再び実施されるブルーインパルスの展示飛行は7月12日(土)と7月13日(日)の2日間飛行すると発表されました
また夢洲、大阪・関西万博会場上空の飛行は両日とも午後3時ごろ~同15分ごろの実施と公表されました。
関西国際空港を離陸後、大阪府吹田市の1970年大阪万博のシンボル「太陽の塔」や大阪城、通天閣といった観光名所の上空を飛んでから、万博会場へ向かうという4月のフライトと同様の流れとなることが発表されました
大阪・関西万博 ブルーインパルスはいつどこで見られたの?
防衛省からブルーインパルスの飛行経路が公表されました
航過飛行および展示飛行の経路はいずれも4月10日に実施された予行飛行と同じ経路となりました


7月12日(土)14時40分頃 関西空港を離陸して15時ごろまでの20分間、大阪市内を飛行後、15:00~15:15の間 万博会場上空で展示飛行



ちょっとしたネタですが記者会見や飛行前の打ち合わせ(ブリーフィング)は関空展望ホールスカイビューに存在したレストラン『レジェンド・オブ・コンコルド』の跡のスペースで実施されているようですね。
7月13日(日)14時40分頃 関西空港を離陸して15時ごろまでの20分間、大阪市内を飛行後、15:00~15:15の間 万博会場上空で展示飛行
前回の飛行の模様がノーカットでばっちり公開されています。
360度撮影(映像を動かせる)なので地上の様子も確認できます。大阪に土地勘のある方でしたら、こちらの映像で飛行経路の予習をしておきましょう!
映像に写っている3番機の松浦(ジャスティン)さんが右肩に着用しているツアーワッペン(パッチ)もアマゾンなどで好評発売中です





展示飛行中のブルーインパルスは規定により雲の中を飛行できないため、大阪市内のランドマークや万博会場上空に雲が存在する場合は予定経路を変更したり、雲の上を飛行する可能性があります。
航過飛行 ←大阪市内の飛行
- ブルーインパルスがデルタ隊形などの編隊飛行を維持し白いスモークを出しながら飛行すること。
- 原則として1度だけの通過となる。(飛行経路が交差する大阪城上空は2度通過)
展示飛行(編隊連携機動飛行) ←万博会場での飛行
- 会場上空を通過する際に、いろいろな種類の編隊飛行を行う
- 空にサクラなどの円を描くなどの飛行も行う
- 設定された時間内で何度か会場上空を通過する
ブルーインパルスが飛行する際の
飛行条件とは?





ブルーインパルスがフライトする際に影響するのは雨の有無もそうですが、雲の高さと地上および上空の見通し状況が影響します。
【飛行に必要な空港の気象状態】
・雲高がBKN(ブロークン)又はOVC(オーバーキャスト)1000フィート以上、かつ地上視程が5km 以上
4月10日の予行飛行が実施された際は防衛省・自衛隊の公式Xにてフライトの有無の発表がなされました
7月12および13日の飛行においても同様にフライトの実施について発表されました



飛行隊長のフライトに関する判断が、防衛省および航空自衛隊の広報担当官に伝達され、飛行中止か実施かについてXなどのSNSにて発表される流れとなっているようです
ブルーインパルスが飛行したポイント
航過飛行
防衛省から事前に公表された通り、関西空港を離陸したブルーインパルスは岸和田から、通天閣・大阪城・太陽の塔・ひらかたパーク・大阪城と予定通りの経路で航過飛行を実施しました


ブルーインパルス6機によるデルタローパスの隊形(実際はもう少し機体の間隔が広めです)


万博会場で展示飛行の支援をおこなったパイロットも
ブルーインパルスがイベントで飛行する際は、地上から無線にて飛行のタイミングや上空の状況をパイロットに伝えるなどの役割を担う『地上統制班(ブルーコントロール)』が来場したもようです。
大阪城周辺も大勢の人が
4月に飛来した際、本番飛行の日は雨でしたが、大阪城公園は多くのギャラリーが訪れたようです。
それをうけて7月の飛来に際しては公式webサイトにて注意喚起の案内が出されました
2025年7月12日(土)・13日(日)に大阪・関西万博会場の上空でプルーインパルスの展示飛行が行われる予定です。大阪城上空が飛行ルートとなることから、大阪城公園はブルーインパルスの観覧を目的とする来園者で大変混雑することが予想されます。来園者の安全確保のため、以下の項目についてご確認とご協力をお願いします。
→以下の項目の続きについてはこちらからご覧ください
実際7月12日(土)・13日(日)はブルーインパルスのフライトを一目見ようと集まった多くのギャラリーで賑わったようです



大阪城とブルーインパルスを絡めたショットを狙う方も多かったようですね
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンからも見えた!
スモークを出している状態で何度も飛行するパートを見られる場所といえば万博会場のある夢洲周辺、および少し距離があるもののユニバーサル・スタジオ・ジャパンの北側上空方向でも飛行時間帯となる12時から15分間、何度か飛行する様子を見ることができたようです
実際にユニバーサル・スタジオ・ジャパンから飛行を目撃された方のポストはこちら
ブルーインパルスの演目飛行
万博会場に入場できる方を除き、一般の方が演目を含めた展示飛行をご覧になりたい場合は万博会場周辺のエリアでブルーインパルスの展示飛行を観覧する形となりました。




大阪・関西万博 ブルーインパルスの飛行ルートは?
7月1日に大阪・関西万博におけるブルーインパルスの飛行ルート経路が公表されました
またブルーインパルスの離発着には4月の飛来時と同じく関西空港が使用されました
図の赤い線が航過飛行の経路。黒い線が演目飛行の経路となります。
演目飛行の黒い線については夢洲会場を通過後、何度か隊形を変化させながら再度会場を通過することを意味します。


作図法が微妙に異なるのか若干ずれがありますが、飛行予定地点のランドマーク地点をグーグルマップで調べてざっくり重ねるとこんな感じになりました


大阪・関西万博で飛行する
ブルーインパルスの演目は?
万博会場上空で実施された
ブルーインパルスの演目
※大阪市内の航過飛行はデルタローパスを実施
万博会場正面は南西方向(噴水ショーが行われるエリア)という設定となっているようです
- 1️⃣デルタ360° ターン(6機がデルタ隊形を維持したまま360°ターンを行う演目)
→会場東方向から進入し大屋根リングに沿って旋回し西方向に抜ける - 2️⃣サクラ(6機が会場上空にスモークで丸を描きサクラをイメージした6輪を描く演目)
→会場南西方向から進入 - 3️⃣(オリジナル)レベルキューピッド 2機が水平に♡ハートマークを描く
→会場南西方向から進入 - 4️⃣720°ターン(1機が水平に8の字を描く)
→会場南西方向から進入 - 5️⃣チェンジオーバーターン(5機が縦一列で会場上空に進入し一気に大きなデルタ隊形に変化してターンする演目)→会場南方向から進入
- 6️⃣360° ターン(1機が360°ターンを行う演目)→会場南方向から進入
- 7️⃣レベルサンライズ(5機がデルタ隊形で会場に進入し、会場上空手前で水平方向に大きく広がる演目)
→会場南西方向から進入


江尻隊長は飛行前、報道機関のインタビューにて
「万博のテーマである『いのち』や『未来』、また世界とのつながりといったイメージを取り入れた飛行演目にしたい」と語っていました
式典における定番演目としてはデルタ360°ターンやサクラなどがありますが、伊丹空港や関西空港を発着する民間航空機への影響を考え、15分という限られた時間で実施されるため、どのような演目が選定されるのかに注目が集まりました



今から55年前の1970年3月に開催された日本万博博覧会 開会式(大阪)では当時のブルーインパルスの機体であったF-86Fセイバー戦闘機が上空にEXPO’70の文字を描きイベントを盛り上げました。
EXPO 2025 大阪・関西万博の開催概要について
EXPO 2025 大阪・関西万博は、1970年の大阪万博以来55年ぶりに大阪で開催される国際博覧会となります。
大阪・関西万博の開催期間は2025年4月13日(日)から2025年10月13日(月)までの184日間
営業時間は午前9時から午後10時までとなっており、夜間の演出も楽しめる予定となっています



大阪万博は約半年間にわたって開催される予定で、この期間中に約2,820万人の来場者が見込まれています
会場となるのは大阪市此花区の人工島・夢洲(ゆめしま)で、東京ドーム約30個分に相当する155ヘクタールの広大な敷地に、世界各国のパビリオンや企業展示などが設置されています
ブルーインパルスの隊員が2025年のツアー中、飛行服に着用する2025のツアーワッペン(パッチ)もアマゾンなどで好評発売中です





私もamazonにて購入しました。左が2024年のツアーワッペン、右が2025年のツアーワッペンです。ブルーインパルスの正式名称である第11飛行隊 30周年記念とTOUR2♡25の刺繍がポイントです。


ブルーインパルスは7月11日に関西空港へ到着
ブルーインパルスは7月11日の午前7時00分~7時15頃にかけて、予備機を含めた全7機がいくつかのグループに分けて宮城県にある松島基地を離陸しました。
その後、午前8時20分過ぎに隊長が操縦する最初のグループが関西国際空港に着陸しました。
それに続いて残りのグループを含めた全機が8時45分頃までに関西国際空港に着陸しました



宮城県から大阪まで1時間ちょっとで移動してきたってことね。さすがの速さだわ!
関西系のテレビ局 MBSなどが着陸の模様を中継しています



7月11日に飛来した際は4月とは異なり、B滑走路よりの貨物便のエリアに駐機しました。


ブルーインパルス 展示飛行時の各種規制などについて
ブルーインパルスの再びの飛来は早くも話題になっており、4月の飛来時よりも多くのギャラリーで万博会場周辺はもとより主要な飛行通過ポイントなども大変混雑することが予想されました。
入場規制の可能性や、立ち入り規制、注意喚起などが行われた場所
ブルーインパルスのパイロットはどんな人達?
- 1番機 【前席】江尻(エッジ)2等空佐【後席】蔵元(コルク)1等空尉
- 2番機 松永(スポック)1等空尉
- 3番機 松浦(ジャスティン)1等空尉
- 4番機 佐藤(リーチ)1等空尉
- 5番機 【前席】藤井(ジーク)3等空佐 【後席】下田(ライコー)1等空尉
- 6番機 浅香(タカ)1等空尉
以上8名のパイロットでフライトを実施
万博会場のナレーションは5番機TR(訓練中)の浦(ミッキー) 3等空佐が担当
その他に飛行班長 川島(ベンガル)3等空佐が地上から飛行統制支援?
ブルーインパルスのパイロットは『ドルフィンライダー』
ブルーインパルスの総括や整備を行う要員は『ドルフィンキーパー』の愛称でファンに親しまれています
現在のブルーインパルス率いる第11飛行隊の飛行隊長は
江尻 卓(えじり すぐる)2等空佐 TACネームはEDGE(エッジ)



TAC(タック)ネームとは編隊間で無線でやり取りする際のニックネームです
F-15戦闘機の操縦経歴もあり防衛大50期のエリートで長野県上田高校の出身です
2024年5月からブルーインパルスの飛行隊長を務められています。
万博にゆかりのある3番機のパイロット ジャスティンさん


3番機を担当する松浦翔矢1等空尉、タック(TAC)ネーム ジャスティン(JUSTIN)さんは大阪府吹田市の出身。
関西大阪万博の開催に合うタイミングでブルーインパルスのパイロットを志願したとのことで、気合の入り方が違います。



編隊右側を飛ぶ3番機にも注目ですね。ちなみにジャスティンはジャスティン・ビーバーがルーツとのことです
航空自衛隊の公式サイトにドルフィンライダーやドルフィンキーパーの紹介ページがありますので
気になる方は是非チェックしてみてください。
ネット通販で買える!万博と飛行機のコラボグッズ
大阪・関西万博ではオリジナルキャラクター「ミャクミャク」をモチーフとした多種多様なグッズが販売中ですが、飛行機グッズ販売を手掛けるお店『トップガン』ではミャクミャクと飛行機がコラボしたグッズが好評販売中です。



トートバックやステッカーなどが比較的手頃な値段で入手可能です。期間限定の商品となりますので、売り切れに注意です!入手可能なうちにゲットしておきましょう。
ブルーインパルスの無線交信周波数は?
万博事務局に問い合わせた方が共有してくださった情報によりますと、万博会場へアマチュア無線、特定小電力無線、トランシーバーなどの無線通信機器の使用はできない事となっており、エアバンドレシーバー(無線受信機)も同様に万博会場での使用は不可の扱いとなるとのことでした



エアーバンドレシーバーで無線交信を聞きながらブルーインパルスのフライトを見たい方は、万博会場外からの観覧する必要がありました
7月のフライトについては4月に飛来した際と同じ周波数が利用された模様です
ブルーインパルス 万博における飛行のノータム情報は?
ブルーインパルスが展示飛行を行う際は航空関係者向けの通知であるノータムが出されました
少し専門的な内容にはなってしまいますがご参考用にご紹介します
今回のノータムは
- 7/12(土)大阪市内のフライトノータム
- 7/12(土)万博会場のフライトノータム
- 7/13(日)大阪市内のフライトノータム
- 7/13(日)万博会場のフライトノータム
の4種類が出されました
図の中の赤い旗の地点が緯度経度の示す地点となっています(事前発表のあった通天閣、大阪城、太陽の塔、枚方パークの緯度経度です)。
また展示飛行用のエリアとして万博会場から半径8NM(14.4km)のエリアが確保されていることがわかります。
ブルーインパルスは関西空港を離陸後、一旦南下して編隊を組んでから北上するようです。


ブルーインパルスのノータムの情報はこちらをクリック
7月に万博会場や大阪府内を飛行する ブルーインパルスのノータムが確認できました
いずれも防衛省から発表された通り時間と飛行経路の内容となっています










※ノータムとは航空関係者向けの通知情報となります。
※天候やその他の理由によキャンセルとなる場合があります
記事のまとめ
記事の概要をまとめますと以下のとおりとなります
・ブルーインパルスの展示飛行は4月10日(木)は実施されたものの4月13日(日)は中止となりました
・中止となった本番飛行の代替として7月12日(土)と7月13日(日)の2日間飛行が実施されました
・ブルーインパルスは7月11日朝、予備機を含めた7機が宮城県の松島基地から関西空港に到着しました
・万博会場外からは無料で見ることができました。ただし会場周辺エリアは交通規制や立ち入り制限が実施され注意が必要な状況でした
ここまでお読みいただきありがとうございました。

