2024年1月20日(土)9:00~15:00の間
埼玉県入間市と狭山市にある航空自衛隊入間基地にて『令和5年度 入間基地航空祭』が開催されます。
2024年1月20日に予定されていた航空自衛隊入間基地航空祭は令和6年能登半島地震に対する災害派遣活動に最優先で対応するため、中止になることが発表されました。
今回の地震で被災された方々には心からお見舞い申し上げるとともに
救難や支援活動に尽力されている方々に敬意を表します。
開催を見込んでの記事作成となっておりましたが、急遽開催が中止となったため、例年の入間基地の開催内容のご紹介という趣旨にかえ、記事をまとめております。次回以降の開催の際のご参考にしていただければ幸いです。
令和5年度はブルーインパルスの展示飛行も予定されています
またなんと今回は任務の性質状極めて機密性の高い電子作戦群の『EC-1』が参加することが発表され、ファンを中心に話題になっています。
首都圏にあり、基地に隣接する駅もある入間基地は都心からのアクセスも良好。
初心者が行っても楽しみやすいイベントとなっています。
今回は入間基地航空祭の見どころやアクセス方法、予行飛行やノータムの情報、エアバンドの周波数やお出かけされる際の注意点についてまとめてみました。
次回以降、お出かけを検討・予定されている方に参考にしていただければ幸いです。
入間基地所属部隊や令和5年度航空祭の見どころ 2024年1月20日の入間基地航空祭は中止になりました
入間基地といえば東日本における自衛隊航空物流の拠点。
輸送機や多用途支援機を運用する航空支援集団が所在し、多様な輸送機や支援機を見ることができます。
また中部航空方面隊司令部や航空戦術教導団電子作戦群が所在するなど、航空自衛隊にとっても重要な役割を担う基地の一つとなっています。
電子作戦群のEC-1(通称:カモノハシ)
今回参加が発表されていたEC-1電子戦機は、航空戦術教導団電子作戦群(旧航空総隊司令部 電子戦支援隊及び電子情報測定隊)隷下の電子戦隊の所属です。
その独特な風貌から『カモノハシ』とファンから呼ばれる機体ですが、航空自衛隊に1機しか存在しない(というか世界に1機の)超レアな存在なのです。
電子戦隊はEC-1の他にYS-11EAを保有していますが、YS-11EAもEC-1同様に任務形態や装備について明らかにされることがほとんどない航空機です。
YS-11もC-1も引退の時期が迫っており、後続機として導入されたRC-2も入間基地の所属となっています。
電子作戦群所属機は機体の機密性の高さから、航空祭に登場することはめったにありません。(2008年と2009年の岐阜基地航空祭ではEC-1が地上展示されました)
C-1輸送機の引退が進む現状を考えると、観客の前でデモ飛行を行うのは今回が最初で最後の可能性もあります(あくまで筆者の推測です)
ちなみに平時に飛行の模様を見たい場合は、ミッションの行われる平日に入間基地に行くほかなく、さらには平日に行けば必ず見られるという保証もないので、巡り合うにはある程度の運も必要となる機体となります。
今回は事前予告のうえデモフライトも実施されるということで、EC-1のデモ飛行の模様を撮影できるという超貴重な機会となるのです。
日本のみならず世界の航空ファンからの注目度も高いEC-1の動画や画像はインスタグラムやYOUTUBEでも注目される存在です。
諸般(オトナ)の事情でEC-1のプログラムが中止にならないか心配するくらいです・・。 形は違いますが残念ながら中止になってしましました・・(泣)
また、最近垂直尾翼に電子戦支援隊時代から使用されている 『ヘルメットをかぶったカラスのかわいらしいペイント』が施されており、こちらも話題になっています。
これは第二次世界大戦時アメリカ軍で「RAVEN:レイブン(ワタリガラスの意味)」のコールサインで読んだことからカラスのキャラクターを使用しているものです。
EC-1についてもっと詳しく知りたいということは文林堂から出版されている『世界の傑作機スペシャルエディションシリーズ Kawasaki C-1』がおすすめです。
本書ではC-1の開発や運用の歴史のほかEC-1の開発と運用について12ページにわたり、写真つきで紹介しています。ネット検索では見ることのできない情報が目白押しの保存版です。
EC-1に関する記事の内容としては
- ECM訓練機導入の背景
- 電子戦訓練機運用概念図
- EC-1に搭載され、電子戦環境を模擬するECM装置 J/ALQ-5の概要や開発の歴史
- 機体外部に携行するAN/ALE-41(チャフ・ディスペンサーポッド)について
- EC-1内部機材配置図 ⇒ 普段明かされることのないEC-1の内部構造が判明!
- YS-11EAとYS-11EBとの搭載機器の違いや関係について
などが紹介されていて、電子戦に興味のあるファンにとっても貴重な資料となっています。
第2輸送航空隊 第402飛行隊
新型『C-2』輸送機や『C-1』輸送機、及び『U-4』多用途支援機を運用します。
引退の進むC-1輸送機の勇姿を見られるのは段々と貴重な機会となりつつあります。
大型の輸送機が編隊を組んで会場上空を通過したり、高い機動生をアピールする展示飛行が見られるのは、ここ入間基地航空祭ならではのシーンとなります。
中部航空方面隊司令部支援飛行隊
高官や政府要人の移動に用いられるガルフストリームジェット機をベースとした『U-4』輸送機や
航空総隊司令部や中部航空方面隊の要員が用務や慣熟飛行のために使用する『T-4』練習機を運用します。
U-4輸送機については前述の第402飛行隊と共用する形をとっています。
飛行点検隊
全国43個所にある自衛隊基地の航空保安施設の検査を行う『U-125A』や『U-680A』飛行検査機を運用します。
紅白チェック柄の垂直尾翼が特徴です。
入間ヘリコプター空輸隊
入間基地には航空救難団隷下の入間ヘリコプター空輸隊の所在しており『CH-47J』チヌークを運用。
レーダーサイト等へ人員や物資の輸送などを行っています。
外来の戦闘機(フライバイの実施?)
入間基地航空祭のプログラムに華を添えるのが他の基地から飛来する戦闘機の存在。
中部航空方面隊司令部が入間基地に所在することもあり、同方面隊の隷下にある小松基地の第6航空団からF-15戦闘機が参加します。
機動飛行等は実施されませんが、例年通りの内容であれば航空祭終盤に観客の前でエンジンスタートを行い、爆音を轟かせながら離陸後、入間基地上空をフライパスしたあと所属基地に帰投する(フライバイ)模様などを見ることができます。
入間基地航空祭 過去の来場者の推移
特別なイベントがない限り首都圏でブルーインパルスの飛行を目にすることのできる年に1度の機会ということもあり、毎年人気のある航空祭のひとつです。
他の基地に比べると決して広くはないイベント会場に、大勢の来場者が訪れるのが入間基地航空祭の特徴です。
特にブルーインパルスが飛行する時間帯となると会場の混雑はピークに達します。
・2022年 事前申込制 2万7千人
・2021~2020年 新型コロナウィルスのため中止
・2019年 12万5千人
・2018年 19万人
テレビドラマ『空飛ぶ広報室』が人気を博した2013年は32万人という入場者を記録したこともありますが、ここ数年は多くて20万人前後で推移しているようです。
天候にもよりますが今回は真冬の開催ということもあり入場者数がどの様に推移するのか気になるところですが、今年は最初で最後になるかもしれないEC-1のデモフライトの模様や地上展示を一目見ようと、多くの観客が来場することが予想されます。
特に小さなお子様連れでお出かけを考えている方は、そのあたりの事情も考慮して準備をしておくことをおすすめします。
令和5年度 入間基地航空祭 注目のプログラムは?2024年1月20日の入間基地航空祭は中止になりました
入間基地より飛行展示のプログラムが公表されました。
飛行時間帯 | 飛行する機種 | メモ |
---|---|---|
9:30~9:40 | EC-1 | 電子作戦群所属機 今回のイベントの目玉 |
9:50~10:10 | CH-47J | 入間ヘリコプター空輸隊 |
10:15~10:35 | U-125&U-680 | 飛行点検隊 |
10:45~11:05 | T-4 | 中部航空方面隊司令部支援飛行隊 |
11:10~11:30 | C-2&C-1&U-4 | 第2輸送航空隊 第402飛行隊 |
13:05~14:10 | ブルーインパルス | 皆がお待ちかね 航空祭の華 |
14:10~15:00 | 外来機帰投!? | プログラムには記載はありませんが戦闘機の帰投があるかも!? |
外来機の帰投に関して基地から発表はありませんが、前述した通り、例年外来の戦闘機の帰投が見られたりします。
ブルーインパルスのプログラムが終了するあたりから外来戦闘機の周辺の動きを注意して見ておきましょう。
令和5年度 入間基地航空祭 予行飛行の予定は?
12月30日時点では予行の情報は確認できておりません。入手できましたら記事を更新したいと思います。
令和5年度 入間基地航空祭に関連するノータム(NOTAM)情報
12月30日時点では関連ノータムの情報は確認できておりません。入手できましたら記事を更新したいと思います。
入間基地航空祭でチェックしておきたいエアバンド周波数は?
過去の使用実績では入間TWRの322.2MHzが主用波として使用されることが多く。ブルーインパルスの使用実績もあります。
C-1・C-2・U-4輸送機などはVHFの周波数も使用します。
使用周波数はそれほど多くないのでエアバンドデビューにもオススメの航空祭となります!
入間GND | 275.8 |
入間TWR | 122.05 126.2 236.8 322.2 |
横田DEP | 122.1 363.8 |
横田APP・RDR | 118.3 120.7 123.8 261.4 270.6 317.85 270.4 |
入間GCA | 125.3 134.1 255.4 258.2 270.8 289.4 327.4 335.6 |
入間基地航空祭会場マップや出入り口・アクセス方法・駐車場の情報は?
入間基地より航空祭の会場マップが公表されました。
かなり見やすく作成されており、これを参照しながら目的の地点を目指しましょう
2箇所に新開放エリアが設置されます
今回はブルーインパルスや各種航空機が地上展示されるメインエリア(飛行場地区)のほか、滑走路を挟んで東側に『ランウエィビューエリア 』、西側に『ブルーパーク』の2箇所の新エリアが設定されます。
メイン会場の混雑を避けたい方にもオススメできそうな配置となっています。
メインエリア(飛行場地区)から滑走路を挟んで反対側に位置し、狭山市役所方面からのアクセスが容易。
滑走路から近く、メインエリアより近くで迫力のある離着陸を見ることができる。
午前中順光。
キッチンカーや自衛隊グッズのお店・トイレ・キッズエリア(※)の設置もあり
※キッズエリアは小学生以下のお子様連れの家族のみ入場できるエリアです
メインエリア(飛行場地区)から西武鉄道の線路を挟んだ西側に位置し、稲荷山公園駅からのアクセスも容易。
午後順光。
キッチンカーや自衛隊グッズのお店・トイレの設置あり。レジャーシートの利用が可能なエリア。
またブルーインパルスが展示飛行を行う際の基準点付近に位置するので、航空機が真上を通過する迫力のあるシーンを堪能できる。
入間基地への出入り口について
入間基地航空祭のマップによりますと、航空祭会場への出入り口は
【基地の西側から入場する場合】
- 正門(県営彩の森入間公園側)
- 稲荷山門(稲荷山公園側)
- 北門
【基地の東側から入場する場合】
- 狭山市役所臨時門
の計4箇所となります。
2輪車置き場の設置有り
今回の航空祭では正門・稲荷山門・北門の付近(基地の外)に2輪車置き場が設置されます。台数に限りがありますのでご注意ください。
詳細は基地から公表されているマップをご確認ください。
駐車場の設置はなし 電車でのアクセスが便利
基地内および基地周辺に駐車場は設置されません。
基地までは電車でのアクセスが一般的。
入間基地最寄りの駅は西武池袋線『稲荷山公園駅』となり、下車後は徒歩で基地会場に入る形となります。
車を利用する場合
車でアクセスする場合は近隣の西武池袋線沿線駅周辺にある駐車場を利用し『稲荷山公園駅』まで電車で移動するか、隣にある入間駅周辺駐車場に車を停め、徒歩で基地に向かう方法が考えられます。
予め駐車場を予約しておくと基地祭当日に満車で困るということがないのでオススメです。
注意事項
とにかく人が多い!
前述のとおり毎年多くの来場者で賑わう入間基地航空祭ですので、特に天気がよい場合はその点は覚悟しておきましょう。
メイン会場で航空祭をご覧になる場合は特に迷子や仲間とはぐれたりしないように注意が必要です。
ブルーインパルスやEC-1も登場する今回の航空祭は例年以上の人出も予想されます。
真冬の開催につき、防寒対策はしっかりと
天候にもよりますが、氷点下の可能性もありうる時期の開催となります。
天気が良い=放射冷却で早朝は冷え込む ということになります。
参考までに過去の同時期の入間市の気温について調べてみました。
・2022年1月20日 最高気温12.3° 最低気温 1.9°
・2021年1月20日 最高気温6.6° 最低気温 -2.5°
今年は暖冬との予報もありますが、お出かけの際は防寒対策をしっかりと行いましょう!
防寒対策グッズについても紹介しています
禁止事項・持ち込み禁止物について
入間基地航空祭開催にあたり、持ち込み禁止物の案内が出されています。(公式ページリンクはこちらです)
他の基地祭では持ち込みが可能なものでも入間基地航空祭では禁止されている場合がありますのでご注意ください。
※基地から新たな情報が発表され次第更新します
- 酒類
- ペット
- 一脚・三脚 脚立(地面より高い位置から撮影のために使用する物)
- テント カート
- 折りたたみ椅子
- 指定場所以外での喫煙
- エプロン地区でのレジャーシートの利用
- 飛行場地区における本体を含めて30㎝を超える長さの望遠レンズの使用
電波法に違反の無いように注意して使用するのであれば受信機(エアバンドレシーバー)の使用はOKとなっています。
イヤホンを忘れずに持っていきましょう。
スマホのつながりが悪くなる!?
各通信会社の移動通信車両が会場に設置される可能性がありますが、来場者が増えるお昼ごろにかけてスマホの繋がりが悪くなることが想定されます。
調べ物や現在地共有サービスなども使えなくなる(地図が表示されなくなる)可能性がありますので、プログラムや地図などの画像やドキュメント情報はあらかじめスクリーンショットやスマホにダウンロードしておくことをおすすめします。
また、通話ができなくなった場合に備えて、家族や友人とお出かけの際はあらかじめ集合や合流場所などを決めておくと安心ですね。
インターネットが繋がりにくくなり、通信が必要なゲーム、動画も見られなくなることを想定して、お子様用の暇つぶしも用意しておきましょう。
令和5年度 入間基地航空祭ツアーの情報2024年1月20日の入間基地航空祭は中止になりました
基地へのアクセスが最も楽なのがバスツアーを利用することです。
定員や申込期限がありますので、利用される方は早めに申し込むようにしましょう。
筆者が調べた範囲では以下のツアー会社が見つかりました (募集打ち切りの際はご容赦ください)
【日帰り・夜行バスツアー】
はとバスツアー(新宿・池袋・上野・横浜発)
【宿泊付きツアー】
旅っくす (宮城・福島・大阪・石川発) ※基地までは電車で移動
入間基地航空祭についてのまとめは以上になります。
今回は開催中止となってしまいましたが、次回以降の開催に期待しましょう。
ここまでお読みいただきありがとうございました。